ノアサガオ
Ipomoea indica または Pharbitis congesta
Copyright 1998-2022
米田 芳秋
亜熱帯から熱帯地域に広く分布する植物で,日本では八丈島,紀伊半島,四国,九州の南岸地域,屋久島などでみられ,沖縄地域では盛んに繁茂している。アサガオ,アメリカアサガオ,マルバサガオと大きく異なる点はほとんど自家受精せず,茎葉を盛んに伸ばして栄養繁殖することである。これは自家不和合遺伝子によるものである。
筆者はこれまで,八丈島,和歌山県日ノ岬,高知県室戸岬,鹿児島県佐多岬,石垣島,西表島などから材料を集め,また中国広州市産のものを入手し,地域の異なる系統同士を交配したが,いずれもよく結実した。ノアサガオを雌親にして近縁種と交配したところ,アサガオおよびマルバサガオでは花粉は発芽して花粉管は花柱に入るが,花柱の半分までには達しない。ところがアメリカアサガオの花粉は発芽してノサガオの花柱に入り,花粉管を伸ばして受精に至ることが分かった。交雑5日後に種間雑種胚が確認されたのである。しかしこの胚はその後発生を停止し崩壊してしまった。この仕事は藤島(旧姓大石)知洋氏が得た成果である。
ノアサガオ Ipomoea indica (=Pharbitis congesta)
スライド No. 178-183, 239 |
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石垣島伊原間 |
沖縄本島米須 |
八丈島 |
八丈島 |
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がく片, 佐多岬 |
中国広州 |
花粉
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文献
- 大石知洋, 玉置繁一, 米田芳秋 (1986) ノアサガオ(Pharbitis congesta)の種間交雑性 日本育種学会 70回講演会 (静岡大) .
- 米田芳秋・竹中要 (1981) 原色朝顔検索図鑑 北隆館.
Edited by Yuuji Tsukii (Lab. Biology, Science Research Center, Hosei University)